2016.01.18更新

当事者の話し合いで決めた養育費であっても,調停で決めた養育費であっても。一度当事者が合意で定めた養育費の額は契約としての効力が認められます。

よって,原則的には,一度決めた養育費の額はそのまま継続するということになります。

もっとも,離婚後に子や父母の生活環境が変わることは十分にありますし,その変化次第では,養育費の額を変更することが養育費を払う側,もらう側にとって公平な場合もあり得ます。

そこで,いったん養育費の額が決定されたとしても,事後に事情に変更が生じたときは,養育費の額は変更できるものとされています。

 

では,どのような事情がある場合に,養育費の額の変更は認められるのでしょうか。

この点,一般的には,養育費を支払う者,養育費をもらう者の職業上の地位の変化,父母の資力の増減,父母の再婚,子と再婚相手との養子縁組,新たな子の誕生など家族構成の変化,物価変動,生活水準の向上などの様々な事情の変化を総合的に考慮するとされています。

 

そして,これらの事情の変更が養育費の額の決定の際に考慮されていたかどうか,また,将来の予測が可能であったかどうか,そして,そうした事情の変更が重要なものかどうか,といった点を考慮して,養育費を変更すべきかどうかが決められます。

 

投稿者: 棚田 章弘

2015.10.17更新

離婚して子供の親権を得た場合,他方の親に対して養育費を請求することができます。

養育費は,合意によって決まれば合意によって決定した額になります。

 

一方,合意により決まらなかった場合には,調停,審判によって決まります。

調停,審判により決定される額は,「婚姻費用・養育費算定表」を用いる場合が多いです。

同算定表は裁判所のWEBページで入手することができます(「養育費 算定表」と検索すると表示されます。)。

算定表では子供を監護する親(権利者)と監護していない親(義務者)の収入金額との比較により金額が定まります。

 

もっとも,算定表は原則論であり,個別事情も考慮のうえ決まりますので,必ず算定表によって決まるわけではありません。

 

投稿者: 棚田 章弘

2015.06.18更新

夫婦が離婚するにあたって,夫婦の一方から他方に対して,婚姻期間中に増えた財産の分配を求めることができます。

これを財産分与といいます(民法768条)。

 

例えば,婚姻期間中夫が一家の収入を得て,妻が専業主婦だった場合,夫名義の財産はあるけれども,妻名義の財産はないという事態もあります。

このような場合に,妻の婚姻期間中の財産の増加に対する寄与を考慮して,夫名義の財産の分与を認める,というわけです。

 

婚姻期間中に得た不動産,預貯金,生命保険,有価証券,退職金などが分与の対象となりますが,住宅ローンを含めた借金も財産分与の額を定めるうえで考慮する必要があります。

投稿者: 棚田 章弘

2015.06.12更新

夫婦が別居中の場合,相手方配偶者に対し,生活費(婚姻費用)の請求をできる場合があります。

 

夫婦にはお互いに扶養義務(生活の面倒を看る義務)があり,この扶養義務を根拠に相手方に対して生活費を請求することになります。

 

もっとも,生活費の請求も無限定ではありませんので,夫婦の収入に応じてその額が決まってきます。

実務では,家庭裁判所が作成した婚姻費用の算定表を用いて,その請求する金額を定めることが多いですが,

夫婦ごとに事情もさまざまですので,必ず算定表どおりに決まるというわけではなく,夫婦の事情に応じて修正がなされます。

 

婚姻費用の請求の方法としては,まずは任意の話し合い,話し合いで決まらない場合には調停,調停で決まらなかった場合には審判で決まります。

調停は,裁判所を利用した話し合い,審判は,家事事件における裁判手続で裁判所が当事者の意思とは無関係に証拠から婚姻費用を決定します。

 

調停や審判の結果,相手方が任意に支払ってくれればよいのですが,任意の支払いがない場合には,裁判所を利用して強制執行手続を行います。

例えば,給与の差し押さえなどをして相手方の意思を無視して強制的に生活費を回収することになります。

 

 

投稿者: 棚田 章弘

2015.06.04更新

内縁とは,法律上は結婚していないけれども,実態としては夫婦と同様の共同生活を送っていることを言います。

 

単に同棲しているだけでは内縁とは言えません。

夫婦に婚姻意思と夫婦の共同生活の実態があることが必要です。

つまり,単に同棲しているだけで,お互いに「届け出はしていないけど,夫婦であり,結婚している。」という意思がないと内縁とまではいえない,ということになります。

 

内縁が成立している場合,夫と妻には法的に保護に値するものがあるとされていて,一定の効果があります。

1 内縁関係を一方的に解消された場合には,内縁の不当破棄といって慰謝料支払いの責任が生じます。

2 夫婦間には婚姻費用分担義務があり,生活費を請求できます。

3 内縁の解消の場合の財産分与が認められます。

 

ただし,法律の婚姻とは異なりますから,完全に夫婦と同一に扱うことはできません。

例えば,配偶者としての相続権は認められません。

 

このように内縁には相応の保護が図られてはいますが,完全に婚姻と一致するものではないので,注意が必要になります,

投稿者: 棚田 章弘

2015.06.02更新

専業主婦の妻が夫と別居する場合,その生活費をどうするかが問題となります。
この点について,民法760条は,婚姻期間における生活費の負担について,「夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する。」と規定しています。
 上記の例でいえば,この民法760条に基づいて,妻は,夫に対し,生活費の支払いを請求することになります。
 もちろん,妻のほうが収入が大きく,夫のほうが少ない場合は,妻のほうに生活費の支払義務が課されることもありえます。
 この生活費の分担義務は,夫婦生活が破たんしていても,離婚をしない限り分担義務を免れえないのが原則です。ただし,破綻について責任がある配偶者(有責配偶者)からの請求は一定の制限がなされる場合があります。
 
 では,具体的にどうやって生活費の分担が決まるかというと,一次的には夫婦間の協議により決まり,協議がまとまらない場合に,家庭裁判所の審判で決まることになります。
 一般的には,最初にお互いの話し合い,調停,審判という手順をとることになります。
 
 では,具体的にいくらになるのか?というと,家庭裁判所において,生活費分担の算定表が作成されており,特別の事情がない限りは,この算定表に基づいて婚姻費用の分担が決まることが多いといえます。

投稿者: 棚田 章弘

2015.05.20更新

例えば,浮気をした夫が妻に対して離婚請求をする場合,つまり,離婚原因を自ら作り出した配偶者から離婚を請求できるか,という問題があります。

 

自分から浮気をしておきながら,自分の浮気を理由離婚できるとするとそれは明らかに不公平ですね。

このため,最高裁は,昭和27年2月19日の判決で,不貞行為をした夫から妻への離婚請求を「不徳義」であるとして退けました。

 これが「踏んだり蹴ったり判決」といわれたもので,「もしかかる請求が是認されるならば、妻はまったく俗にいう踏んだり蹴ったりである。法はかくのごとき不徳義勝手気侭を許すものではない」として,最高裁は,浮気した夫からの離婚請求を認めませんでした。

 

 もっとも,その後,有責配偶者からの離婚請求を一切認めないのは妥当でない,として,昭和62年9月2日の判決で,別居期間などの一定要件を満たす場合には,有責配偶者からの離婚請求を認めています。

 どのような事情により,有責配偶者からの離婚の請求が認められるかは個別具体的な事情によりますが,別居期間の長さや幼い子供がいるかどうかが一つの目安となります。

 別居期間の長さは,少なくとも5~6年,事情によってはそれより長期が必要になります。事情によっては短い期間で認められる可能性はありますが,少なくとも1~2年の別居期間では難しいといえるでしょう。

投稿者: 棚田 章弘

2015.05.01更新

いわゆるセックスレスがある場合も離婚する原因になります。

また,セックスレスではないけれども,性生活が一般的ではない場合がには,

これも離婚原因になりえます。

 

セックスレスの場合,期間や性交渉拒否の理由,セックスレスに至った経緯などが離婚のできるかどうかの判断要素になります。

 

性生活が一般的ではないような事例としては,

例えば,着衣のままの性行為を要求し,妻がそれについて拒否をしても,

反復継続して妻の意思に反してそのような性行為を要求するような場合などが挙げられます。

この事例は,妻の意向を無視していることを問題視しているもので,

たとえ性的嗜好が一般的でなかっとしても,夫婦間でお互い納得するものであれば,離婚原因にはなりません。

 

投稿者: 棚田 章弘

2015.04.30更新

直接的な暴行でなくても,心理的虐待を原因とする離婚も認められます。

この場合,暴言,間接的な暴行(家具を壊すなど),執拗な電話などといった行為が積み重なって離婚の原因となります。

家庭内の心理的暴行については,なかなか証拠が集めにくいところがありますから,

理的な虐待が行われていることについて記録をつけたり,録音するなどして証拠を残しておきたいところです。

投稿者: 棚田 章弘

2015.04.23更新

婚姻を継続し難い重大な事由というのが離婚の理由(離婚の原因)のなかで最も広い範囲をカバーするものになります。

 

裁判で争いになった事例としては,

性格の不一致

心理的虐待

性生活の不一致

宗教

親族不破(嫁姑問題など)

身体的欠陥(交通事故による身体障害)

犯罪行為

就職しない(不労),無駄遣い(浪費)

などがあります。

 

今回は性格の不一致について記述します。

 

性格の不一致は離婚の動機として多くの人が挙げるもので,実際に男女別の離婚の動機を見ると,

男性は

第1位 妻と性格が合わない

第2位 妻の異性関係

第3位 妻と夫の親族との折り合いが悪い

女性は

第1位 夫と性格が合わない

第2位 夫が暴力振るう

第3位 夫の異性関係

 

となっており,男女ともに1位が性格の不一致です。

性格の不一致も離婚原因にはなりえるもので,性格の不一致を理由とした裁判上の離婚が認められた事例も存在します。

しかし,性格の不一致にも程度があり,些細な不一致を理由に裁判上の離婚をすることは難しく,性格の不一致の程度が相当ひどい,という場合でなければ裁判上の離婚は難しいでしょう。

協議離婚,調停離婚によって離婚する場合が多い離婚原因といえます。

 

 

投稿者: 棚田 章弘

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