2016.07.05更新

自筆遺言証書が封されている場合,法律は家庭裁判所で開封しなければならないとされ(1004条3項),

裁判所外で開封した場合には5万円以下の過料に処するとされています(1005条)

このため,遺言書を見つけたら開封しないで裁判所に検認の申し立てをしなければなりません。

 

では,もし,開封してしまった場合はどうなるのでしょうか。

なかから出てきた遺言書そのものだけで有効な遺言書といえるだけの体裁を整えていればよいのですが,

入っていた封筒などの入れ物と一体で初めて遺言書と判断されるような場合には,

開封することで,遺言書が無効となってしまう可能性があり,実際,開封したことでもって遺言書が無効であるとした裁判例があります。

 

有効になるか,無効になるかは,事案ごとの判断ということになるのでしょうが,

原則に従って,開封は裁判所に検認申し立てを行うことによってすべき,ということになります。

 

投稿者: 棚田 章弘

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