2015.09.25更新

10年くらい前に借金をしており,そのまま支払わずにいたところ,つい最近になって督促が送られてきた・・・という事例があります。

この場合,時効が成立していれば,借金は支払う義務がありません。

消費者金融からの借金の場合,時効期間は5年になります。

最終の返済のときから5年が経過していれば時効を主張することで,借金の支払を免れることができます。

 

もっとも,注意が必要な場合は,消費者金融が裁判手続をしていた場合です。

消費者金融が判決やこれと同様の効果をもつ支払督促などをしていた場合,借金の時効は,判決確定時から10年とされます。

 

また,借金の督促が来た場合に,消費者金融に「支払う。」といったしまった場合には,

時効の主張ができなくなってしまいます(「債務の承認」といいます。)。

いずれにしても,消費者金融から督促が来た場合には,安易に連絡を取らず,専門家へ相談したほうがよい場合がほとんどです。

 

投稿者: 棚田 章弘

2015.09.23更新

親が死亡してから初めて親に借金があることが判明する場合があります。

そして,そのまま,借金があることを放置しておくと相続によって親の借金をそのまま返済する義務を負ってしまいます。

そこで,親の借金を負担したくない場合には,相続放棄または限定承認の手続をしなければなりません。

相続放棄というのは,親の遺産(プラスの遺産もマイナスの遺産も含みます。)の一切をいらないといって放棄することです。

一方,限定承認とは,親の残した遺産の範囲内でのみ相続をします,という意味です。

例えば,親が100万円のプラスの財産を残して,借金が200万円あった場合には,プラスの財産である100万円の限度でしか借金を相続しないということです。

 

この相続の放棄や限定承認は,相続が開始したのを知ってから3か月以内に行う必要があります。

ただ,注意しないといけないのは,3か月の期間が経過する前に遺産を使ってしまったような場合には,法定単純承認といって,相続を承認したものとみなされてしまいます。

このため,親に借金があることが見込まれる場合には,借金があるかどうかの調査が終了するまでは遺産を使わないことが大切です。

 

投稿者: 棚田 章弘

2015.09.04更新

賃貸不動産をお持ちの方は,賃借人が家賃を支払ってこないという場合もあると思います。

 

この場合に,回収する手段としては,

① 任意故障

② 裁判手続

③ 支払督促

などといった方法が考えられます。

 

①は弁護士が間に入ったうえで,通知書を送り,支払を請求するものです。

 利点は,簡易迅速で費用も定額であること,

 欠点は,相手方が任意に支払わなかったときは,回収できないこと,

です。

②裁判手続は,裁判を用いて賃料を回収する方法です。

建物の明け渡しの裁判も一緒に行うのが通例です。

 利点は,判決を得れば賃借人の財産を差し押さえて回収ができること

 欠点は,判決をとっても賃借人に財産がなければ回収ができないこと

です。

裁判になるということは相当程度家賃の滞納が続いていることから,

回収よりも建物を明け渡してもらうことが主眼になることが多いと思われます。

賃借人もお金がないからこそ賃料を支払っていないのであり,回収を図るためには相当の工夫が必要になります。

その意味では入居時に保証人をつけておくなど,事前に回収手段を増やしておくことが必要になるでしょう。

 

③支払督促は,裁判所を利用した簡易な回収手段です。

借主の意見を聞かないまま裁判所が支払を命じる督促を発します。

もっとも,相手方の意見を聞かないまま行うので,借主の側で異議を申し立てれば通常裁判手続に移行します。

 利点は,裁判よりも早期に強制執行できるようになること

 欠点は,借主が異議を述べれば通常裁判に移行すること,判決と同様に借主に財産がなければ回収できないこと

です。

支払督促自体の効果は,未払賃料を命じる裁判と同様の効果しかありませんので,

財産を有する保証人がいる場合など利用する機会は限られるでしょう。

投稿者: 棚田 章弘

2015.09.02更新

借入について支払いが遅れると,貸金業者,クレジット業者からの催促の通知,連絡があります。

これらの催促の連絡が怖い,という方がいらっしゃると思います。

 

実際のところ,これらの催促の連絡は,弁護士が受任したということで連絡をすると弁護士に連絡が来ることになるので,

借主への連絡はいったん止むことになります。

 

もちろん,債務整理の方向性(任意整理,破産,民事再生)を決定しなければなりませんが,

貸金業者からの催促でお困りの方がいた場合には,弁護士に依頼されるのは精神的にも落ち着くことができることになり,

有益だと考えます。

投稿者: 棚田 章弘

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