2016.10.20更新

借主が家賃を滞納した場合に,貸主が自由に貸した建物に入ることができる条項は有効でしょうか。

確かに貸主としては,自分の建物なのだから,例えば,家賃滞納などの場合には,自由に借主の部屋に入って借主が在室しているかなどを確認したいと気持ちはあるでしょう。

 

しかしながら,貸主が借主の同意なくして自由に当該部屋に入ることは借主の生活の平穏を害する行為になり,法律上は許されません。

正当な理由がない場合には住居侵入の犯罪を構成してしまう場合もあり得ます。

 

やはり,現在,人に建物を貸している以上は,現在使用している人がその建物を占有しているわけですから,自由に入ることを許す状況は,

公序良俗に反するものと考えられます。

緊急時など,合理的な理由を限定しない限りは,借主の部屋に事由に入れるとする条項は無効であるといってよいでしょう。

投稿者: 棚田 章弘

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