2016.08.09更新

遺言が有効になるための条件はいくつかあります。

まず,15歳以上であることが必要です(民法961条)

次に,成年被後見人などであったとして,意思能力(物事を判断することができる能力)がある限りは,遺言をすることが認められます。

しかし,遺言者に意思能力がなかった場合には,遺言は無効になります。

意思能力がない,もっとも代表的な例として,認知症を発症している場合があります。

ところが,認知症といっても,その症状の重さには程度があり,軽度であれば,意思能力があると判断されることもあり,

一方で,重度の認知症であれば,意思能力がないものとして,遺言は無効となります。

 

このため,遺言が有効になるか無効になるかは,認知症の程度によって変わってくるといえます。

過去の裁判例には,遺言者が認知症を発症していても有効とされた例,無効とされた例の両方があります。

 

いざ,遺言が有効かどうかが争われる場合には,裁判になることが多いと思われます。

遺言が有効だと主張する側は,遺言者が意思能力を有していたことを証明する必要があります。

例えば,遺言当時の遺言者が筆記したメモ,手紙や会話の受け答えの記録,診断書などの証拠を用いて,立証することになります。

 

逆に遺言の無効を争う側は,遺言者が意思能力がなかったことを示す証拠を提出していくことになります。

 

投稿者: 棚田 章弘

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