2024.06.12更新

大きなお金の動く不動産取引では、トラブルもしばしば起こります。
何か不動産をめぐって問題が発生しているようであれば、弁護士に相談するのも手段のひとつです。
弁護士に相談することで、納得できる形で問題解決できる可能性が高いからです。
本記事では不動産トラブルの際に弁護士に相談するメリットについて紹介していきたいと思います。

弁護士に不動産トラブルの相談するメリット

弁護士に不動産トラブルを相談することで問題解決しやすくなります。
というのも弁護士は法律の専門家であるからです。

代理人をお願いできる

弁護士に問題解決の依頼をすることで、法的根拠に基づいたアドバイスが受けられます。
また必要に応じて、代理人として先方との交渉を任せられるのもメリットの一つです。

第三者である弁護士が代理人として話し合いに参加することで、当事者双方冷静になりやすくなります。
感情的にならずに、事実と法律に基づき解決できます。

訴訟になった場合の準備ができる

弁護士が間に入っても、問題解決できない場合ももちろんあります。
すると訴訟に発展する可能性も出てくるでしょう。

しかし弁護士をつけておけば、訴訟に対しても慌てることなく準備をお願いできます。
裁判の専門家がついているので、自分たちに有利な条件で判決を受けられるかもしれません。

不動産トラブルを自分で対処するのは困難

「弁護士費用が掛かるのでできる事なら自分で解決したい」と思っている人もいるでしょう。
しかし現実的には非常に難しいと考えるべきです。

不動産の専門用語が出てくる

不動産取引に関して、業界ならではの専門用語がいろいろと出てきます。
また不動産業界独特の仕組みについても理解しておかないといけません。

もし自分で事に当たろうとすると、これらの勉強をしておく必要があります。
しかし弁護士に依頼すれば、自分で専門用語など覚えることなく任せられます。

訴訟になれば法律用語にも精通しなければならない

不動産トラブルがこじれれば、訴訟に発展する可能性があります。
すると一般人には難解な法律用語が飛び交いますし、訴訟に向けての書類も作成しないといけません。
ここまでくると、一般人の手には負えないでしょう。

弁護士は裁判のプロなので、訴訟に発展してもしっかり対応できます。
精神的・肉体的な負担も軽減できるでしょう。

こんな時に弁護士に相談すべき

不動産問題が起きた場合に弁護士に相談するのはおすすめです。
では具体的にどのようなシチュエーションで利用を検討すべきか、以下で紹介します。

 

リーガルチェック

不動産取引では大きなお金が動きます。
そこで契約書を作成して、取引に関する決まり事を文書にして残すのが一般的です。
不動産売買契約書だけでなく、管理に関する契約書、サブリース契約書などがあります。
また賃貸を借りる際にも契約書を作成します。
不動産売買の際には重要事項説明書も作成しないといけません。

このとき弁護士にお願いして、法的に問題はないかチェックしてもらうといいでしょう。

いわゆるリーガルチェックと呼ばれるものです。

最近ではネットで検索にかければ、不動産取引に関する各種契約書のテンプレが公開されています。
テンプレを使用すれば、契約書は作成できるかもしれませんがそのまま流用すれば、実際の取引内容と異なる項目が含まれたり、細かなリスクマネジメントができなかったりなどの不備が発生しやすくなります。
その結果、厄介なトラブルに発展するかもしれません。
そこで弁護士に契約書の内容に関して、リーガルチェックをお願いします。
そしてトラブルを回避するためにはどのような契約書にすればいいか、助言してもらいます。
もちろん、弁護士にお願いして契約書を作成してもらうことも可能です。

不動産事業に関する相談

不動産事業を営んでいる事業者は、顧問弁護士をつけている場合も少なくありません。
もし顧問弁護士がいれば、何か不動産ビジネスに関するトラブルが発生した場合、いつでも相談できます。
顧問弁護士に早めに相談すれば、早い段階で専門家に対応してもらえます。
別に事業者でなくても、個人も弁護士に早めに相談すればトラブル予防できるかもしれません。

まとめ

今回は不動産に関するトラブルを弁護士に依頼するメリットについて紹介していきました。
不動産取引は大きなお金が動きますし、また契約書も業界特有の用語も頻出するので、自力ですべて理解するのは非常に困難です。
弁護士に相談することで、不動産トラブルが起きてもこちらの有利なように対応してくれるでしょう。

投稿者: 棚田 章弘

2024.05.29更新

ビジネスをするにあたって、契約書を作成する場合も多いでしょう。
しかし契約書を作成しても、その内容に法令違反などのトラブルが発生すると後々問題になります。
そこで必要なのが、今回紹介するリーガルチェックです。

 

リーガルチェックを行う必要性

結論から言うと、契約締結時事前にリーガルチェックをしておくことで、さまざまな問題を回避できます。
なぜリーガルチェックが必要なのか、その理由についていくつかピックアップしました。

 

不利な契約条項を事前に発見できる

とくに取引相手から提示された契約書で起こりがちなトラブルです。
相手の方に有利な条項が盛り込まれていてもそれを発見できずに署名・捺印してしまって、不利な条件での取引を強いられてしまいます。

もしリーガルチェックを行えば、このような不利な条件も発見して指摘できます。
不利な立場でのビジネスを強いられて、不利益を被らずに済みます。

 

実際の取引内容に即しているか確認できる

実際の取引に合わない内容の契約書にサインしてしまう恐れを回避できるのが、リーガルチェックです。
「取引内容に合わない契約書など作成されるのか?」と思う人もいるでしょう。しかし実際には契約書作成を担当した人に十分な知識がなかったり、テンプレをそのまま流用したりすると実際の条件に合致しない契約書ができあがってしまうこともあります。

しかしリーガルチェックをしておけば、内容のおかしいことに気づけるはずです。
もしおかしな内容のままで署名・捺印してしまうと、想定していなかった義務が発生して、作業効率の低下にもつながりかねません。

 

明確な契約書を作成できる

リーガルチェックすることで、不明点について確認することが可能です。

当初の契約内容があいまいで複数解釈できるような内容だと、当事者間で見解の相違が起こりトラブルになります。

しかしリーガルチェックで、あいまいな部分をあぶりだし、具体的かつ明確な条文にすることでこのような見識の相違を起こりにくくできます。

専門家によるリーガルチェックで、あいまいな言葉を明確にしたり、間違った言葉を修正したりして内容の発揮した契約書を作成できます。

紛争リスクを回避するためにも、リーガルチェックを行うべきです。

 

契約の無効を回避できる

リーガルチェックを行う目的として、法律などルールに則さない内容の有無を確認することも挙げられます。

いくら同意があったとしても、公序良俗に反したり、消費者契約法などの関連法規に違反したりすると最悪契約書そのものが無効になる可能性もあります。

違反の内容次第では行政処分や行政指導の対象になることもあり得ます。

営業停止や営業許可の取り消しなど厳しい処分を受ける可能性もあるので、リーガルチェックで法的な問題点の有無を確認することは大事です。

 

リーガルチェックをするには?

リーガルチェックの必要性がわかったところで、具体的にどのように行うかについて見ていきます。
またリーガルチェックをするにあたっての注意点についてもまとめましたので、参考にしてください。

 

リーガルチェックの一般的な手順

リーガルチェックの手順を簡潔にまとめると、以下の通りです。

 

・契約書の準備
・自社情報の準備
・内容の整理
・弁護士に相談

 

まずは今回締結することになった契約書を用意しましょう。

初めてリーガルチェックを依頼する場合、先方が自社について理解してもらうために自社情報を整理しておきましょう。

会社の資本金や従業員数が変わってくると、適用される法律が変わったり、基準が別になったりする場合もあります。

チェックする側が会社に関する正しい情報を把握していないと、リーガルチェックも意味をなさなくなるかもしれません。自社の法務部などがリーガルチェックするのであれば、こちらの工程は必要ありません。

弁護士など専門家に契約書に関する説明ができるように、内容について整理しておきましょう。

今回の契約書によって、どのような条件の下で合意したいのかも弁護士に説明できるように準備しておきましょう。

また契約書の中で気になる事柄があれば、弁護士にその部分も指摘できるようにしておくといいです。

準備万端となったところで、弁護士にリーガルチェックの相談をします。

 

リーガルチェックの際の注意点

もしリーガルチェックを弁護士事務所など、外部の専門家に委託する場合費用がかかります。

費用は依頼内容によって変わってきます。契約情報に法令違反がないか、簡潔なチェックであれば3万円程度です。

リーガルチェックのほかにも契約締結にあたってアドバイスが欲しければ、5~10万円が相場といわれています。

ただ依頼する事務所の規模によっても変わってくるので、見積もりを出してもらうといいでしょう。

 

まとめ

法的なことに関して十分な知識を持たない人が作成した契約書だと、法律に問題のある条項が盛り込まれているかもしれません。

またこちらが不利になる内容が含まれているかもしれないので、専門家によるリーガルチェックは忘れずに行うべきです。

自社の法務部があればそちらでチェックできますが、中小企業など法務部がない場合弁護士事務所に契約書の確認をお願いするのがおすすめです。

投稿者: 棚田 章弘

2016.11.11更新

賃料増額,賃料減額の裁判を提起した場合,どのように裁判は進むのでしょうか。

争点は,賃料が高いか,安いかですから,訴える原告が自分の考える適正賃料を主張し,証拠によって,証明していくことになります。

一方,訴えられた被告としては,現行の賃料が適正であることを証拠によって立証します。

双方,不動産鑑定士の鑑定書を用いて立証したり,裁判所が選任する鑑定人の鑑定によって,適正賃料の証明がなされます。

賃料減額の裁判が確定した場合,貸主は,裁判によって決められた賃料とそれまで受け取っていた賃料の差額を支払い,かつ,1割の利息を支払います。

逆に,賃料増額の裁判が確定した場合,借主は,裁判によって決められた賃料とそれまで払っていた賃料との差額を支払い,かつ,1割の利息を支払うことになります。

 

投稿者: 棚田 章弘

2016.11.08更新

賃貸借契約をしていて,相場に比べて賃料が安い,または高いと感じる場合があります。

こういった場合,賃料の増額や減額をすることができるのでしょうか。

借地借家法によれば,「土地に対する租税その他公課の増減により,土地の価格の上昇もしくは低下その他の経済的事情の変動により,又は近傍類似の土地の地代等に比較して不相当となったときは,契約の条件にかかわらず,当事者は,将来に向かって地代等の増減を請求することができる。」

とされています。

よって,様々な事情により,賃料が不相当だ,ということであれば,相手方に請求することによって,賃料の増減額請求をすることができます。

もっとも,賃借人,賃貸人がこれに応じてくれるかは,請求を受けた賃借人,賃貸人次第です。

その増額請求について,賃借人が「いや,今の賃料が適正だ。」と思えば,現行の賃料を支払っておけばよいことになっています。

反対に,請求を受けた賃貸人が「いや,今の賃料が適正だ,」と思えば,現行の賃料を請求してもよいことになっています。

 

このように,増額額請求は,直ちに法的に賃料の増減を相手方に強制することはできません。

増減額請求の効力を法的に生じさせたい場合,相手方に対して,賃料増額,賃料減額の裁判を定期することになります。

次回では,賃料増額,賃料減額の裁判をした場合の効果について記載したいと思います。

投稿者: 棚田 章弘

2016.11.05更新

マンション・アパートで借主が自殺した場合に,相続人に損害賠償はできるのでしょうか。

この点,借主は,貸主に対し,善良な管理者の注意義務を負い,借りた物件に損害を与えないように利用しなければなりません。

そして,借主にとって自殺をした場合に,当該賃貸物件について,その後に賃借しようという人が出現しやすくなることは容易に想像できますし,

借主に,建物内で自殺をしないように求めても酷とは言えません。

このため,マンション・アパート内で,借主が自殺することは,大家に対して全巻注意義務違反によって損害を与えたことになります。

よって,大家は,借主の相続人,連帯保証人に対して,損害賠償を請求できることになります。

 

では,どのくらいの損害賠償を請求できるかになりますが,

自殺物件であっても,時間の経過によって,人の嫌悪感も薄れていき,借りる人も現れるようになります。

このため,認められる損害は,自殺したことによって,借りる人が現れないと思われる合理的な期間の賃料,

また,合理的な期間内の自殺物件ということによって下がってしまった賃料と得られる賃料との差額,ということにあります。

 

過去の裁判例では,1年間分の賃料と,その後2年間の下がってしまった賃料と本来得られたであろう賃料の差額が損害として認められた事例,

従前賃料の半額弱の2年分を損害とした事例などがあります。

 

自殺の社会的認知度などによっては,より長い期間の賃料損害が認められることもあると考えられます。

投稿者: 棚田 章弘

2016.11.02更新

賃料を滞納したときは,賃貸借契約が当然に解除されるものとします,というような契約(失権約款)が締結され,これが有効だとすれば,

大家にとっては有利であり,借主にとってはちょっとでも賃料の支払が遅れてしまえば,住む場所を失うことになるので,きわめて不利です。

このような条項が許されるかのでしょうか。

この点,過去の裁判例では,失権約款があっても,貸主と借主の信頼関係が賃貸借契約の当然の解除を相当とする程度まで

破壊されたといえばない場合には失権約款によるよる当然の解除は認められないとしたものがあります(最判昭51・12.17判寺848・65)。

したがって,失権約款があったとしても,当然に契約を解除できるわけでもなく,単に支払が遅延した程度では解除は難しいといえるでしょう。

 

投稿者: 棚田 章弘

2016.10.20更新

借主が家賃を滞納した場合に,貸主が自由に貸した建物に入ることができる条項は有効でしょうか。

確かに貸主としては,自分の建物なのだから,例えば,家賃滞納などの場合には,自由に借主の部屋に入って借主が在室しているかなどを確認したいと気持ちはあるでしょう。

 

しかしながら,貸主が借主の同意なくして自由に当該部屋に入ることは借主の生活の平穏を害する行為になり,法律上は許されません。

正当な理由がない場合には住居侵入の犯罪を構成してしまう場合もあり得ます。

 

やはり,現在,人に建物を貸している以上は,現在使用している人がその建物を占有しているわけですから,自由に入ることを許す状況は,

公序良俗に反するものと考えられます。

緊急時など,合理的な理由を限定しない限りは,借主の部屋に事由に入れるとする条項は無効であるといってよいでしょう。

投稿者: 棚田 章弘

2016.10.17更新

取り壊し予定の建物があるけれども,一時的に賃貸するという大家さんもいらっしゃやると思います。

この場合,どのような内容で賃貸借契約を交わせばよいでしょうか。

 

借地借家法は,この点について規定を設けています。

借地借家法第39条

①法令または契約により一定の期間を経過した後に建物を取り壊すべきことが明らかな場合において,建物の賃貸借をするときは,第30条の規定にかかわらず,建物を壊すときに賃貸借が終了する旨を定めることができる。

②前項の特約は,同項の建物を取り壊すべき事由を記載した書面によってなされなければならない。

 

この条文による限り。

①法令または契約により一定期間経過後に建物を取り壊すときに契約が終了することを約すること

②取り壊すべき理由を書面に記載すること

で,取り壊しとともに契約が終了する契約にすることができます。

 

しかし,逆に,これを記載した契約書を作成しない場合には,取り壊す予定を口頭で説明しても,契約の終了を主張できないことになります。

①のみを記載しても,契約の終了を主張できませんから,きちんと②まで契約書に記載しておくことが大切です。

 

契約書を作成する際には,専門家に相談して作成しておくことをお勧めします。

投稿者: 棚田 章弘

2016.09.22更新

遺言書を作成することは死後の相続に関する争いをできる限り現象させるものでありますから,

自分が亡き後の親族紛争を防止するという点では有効な手段となりうるものです。

 

しかしながら,遺言書を作成したとしても,その遺言の中身によっては,紛争防止の目的が果たせないものもあります。

例えば,遺留分を侵害するような遺言をしてしまった場合です。

 

ここで遺留分とは遺言書をもってしても剥奪することができない相続人の利益のことをいいます。

ある相続人に自己の遺産のすべてを相続させたとしても,他の相続人には遺留分があるために,

他の相続人が遺言により遺産を受け取った相続人に対して,遺留分の請求をすることができるのです。

その結果,遺留分請求によって,新たな紛争が生じてしまい,紛争防止という遺言の目的が果たされなくなった例もままあります。

 

遺留分は,兄弟姉妹以外の相続人が有する権利です。

遺留分は,

直系尊属(父・母・祖父母など)が相続分の場合には,遺産の3分の1

その他の相続人の場合は,遺産の2分の1

とされています。

 

被相続人がA,相続人が妻C,子のC,Dという事例で考えます。

この事例で,Aが妻Cにすべてを相続させるという遺言をしたとします。

この場合,遺留分は,2分の1になります。そして,各相続人は,この2分の1を法定相続分で分け合いますので,

C(法定相続分は4分の1)が遺留分を請求した場合,

2分の1×4分の1=8分の1

がCの遺留分ということになります。

 

Aの遺産が土地建物しかない場合,遺言によって,土地建物の名義は一度はBになりますが,

Cから遺留分減殺請求権が行使された場合,土地建物の8分の1がC名義となってしまいます。

 

このように,遺言によって,遺産分割の指定をする場合,遺留分を考えずして遺言の内容を決めても,

紛争防止にならない可能性があります。

 

遺言書を作成するときは必ず遺留分について考えておきたいものです。

投稿者: 棚田 章弘

2016.09.20更新

認知症を発症している人でも遺言書を作成することはできるのでしょうか。

結論から言うと,認知症を発症していても,遺言書を作成することは可能です。

 

遺言者が成年被後見人となっている場合には,医師2名以上の立会が必要です。

医師が遺言を作成する能力を欠いていないことを遺言書に付記して押印すれば有効な遺言書となります。

 

成年被後見人でない場合,遺言者の精神状態には差があり,軽度の場合もあれば,中程度の場合もあります。

遺言書を作るときの精神状態によりますが,遺言の内容を十分理解し,作成できるだけの精神状態にあれば,

有効な遺言を作成するjことは可能です。

 

もっとも,有効な遺言書を作成できるだけの能力があったとしても,遺言者が認知症を発症している場合には,

後日になって,他の相続人から遺言が無効である旨の主張がなされる可能性は高いといえます。

このため,遺言を作成する前の段階で,主治医に遺言を作成することができるだけの精神状態にあることの診断書を作成してもらったり,

遺言者が遺言書を作成するときの様子をビデオ撮影するなどの工夫をしておくことが重要になります。

投稿者: 棚田 章弘

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